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宇佐山城 その2




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今でこそ地元小学生お手製の案内板のお蔭で迷うことなく山頂(本丸)まで行けますが、初めて訪れた時は難儀しました。










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大阪出張の帰り道、私の城訪問に多大な影響を与えてくれた“師匠S氏”のお誘いで大津駅近くでレンタカーを借り、S氏推薦の大津周辺の城をいくつか回った中の一つが「宇佐山城」でした。
「岩村城」で山城は体験済みだったので、聞いた事のない「宇佐山城」くらい楽勝で行けるさ…なんて軽い気持ちでした。
全国の城を網羅している兵(つわもの)S氏は慣れた感じで下調べした資料や縄張図なる城の地図を取り出し、頭の中で入念に作戦を立てている様子です。
その辺の山、ちょっと登るだけでしょ!?何調べてるんだろ…って感じです、私は。
「岩村城」は“日本100名城”に選出されたり“日本三大山城”にも含まれている超メジャーな山城。
マニアックな山城はこれが初です。
入念に調べていた意味が登山口に着いた時に分かりました。
道がありません。
いや、あるのでしょうけど私の目ではそれを判明する事は出来ない程でした。
S氏は木に巻いてある紐の道標と経験に基づく勘でどんどん登って行くのです。
私一人では絶対無理です。


その日は8月10日でした。
真夏の炎天下の中、草木が生い茂る道なき道。
セオリーとしてはこんな時期に山城へ、特にあまり整備の行き届いてない所へ行くのお勧め出来ない行為です。
雑草で石垣などの遺構が見え難いし、蛇や蚊・蠅・蜂など危険な動物や厄介な昆虫がいたりで集中出来ないし長時間そこで撮影したくても長居するのも大変です。
当然S氏はそれを分かっていて、私と一緒に滝の様な汗を流しながら登ってくれたのです。
この翌日、務めていた出版社が経営不振で体制が入れ替わる旨の役員会が予定されており、もう一緒に行動を共に出来る時間も限られてしまう事を察したS氏がわざわざこんな時期でも連れてきてくれたのだと思います。
特に言葉で山城攻略法を教えてくれたわけではありませんが、S氏と体感したあの時間が無ければここまでのめり込まなかったかもしれません。
お蔭様で、今では「宇佐山城」を楽々一人で行ける様になりました。










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福井県「一乗谷城」城主・朝倉義景と昨年の大河ドラマの主役“江”のお父さん・浅井長政の連合軍の攻撃に備える為に織田信長が森可成に築かせたのが「宇佐山城」です。
信長の小姓で“本能寺の変”で信長と共に命を落とす、あの森蘭丸のお父さんが森可成です。
宇佐山城主・森可成は最終的には朝倉・浅井連合軍の攻撃で討ち死にしてしまいます。


総石垣の城としてまず思い出されるのが織田信長の「安土城」で、その築城技術が全国に広まり各地で石垣の城が築かれる様になったとされています。
「宇佐山城」はその「安土城」より以前に築かれた石垣の城です。
また、琵琶湖から見た時によく見える様に石垣が配置されている名残が認められており、視覚的効果もあったのでは…という説もあります。
当時はまだ発達していない石垣を見せる事で、信長の権力を誇示するという狙いです。
「安土城」も戦用の城というより見せる要素が強い城で、また小田原攻めの際豊臣秀吉が築いた「石垣山城」も短期間で総石垣の城を築き、相手に精神的ダメージを与える事を狙いとした城でした。
「宇佐山城」というのはこれら“石垣&見せつける城”のパイオニアだったのかもしれません。
いや、きっとそうです。
現在は研究が進んで一つの出来事にもいろんな説がある時代ですが、自分が行った所ぐらいは自分の都合の良い説を取り入れる様にしています。。。









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前回の補足です。
デジカメは撮影したらすぐ確認出来ます。
不思議なものでデジカメのモニターで確認した時は最高に見えた写真でも、パソコンで見た時に“アレレッ??”と感じる事がよくあります。
プリントした時にも同じ事が言えます。
山城は撮影条件が悪いです。
近付いてアップを撮りたくても、離れて全体を撮りたくても断崖だったりして思ったように撮れない事が多々あります。
こういう条件で50mm(に限らず単体)という限られた範囲のレンズで撮影すると、上記とは反対の感じになる事があります。
モニターで見るよりパソコンやプリントで見た方が良く見えるのです。
勿論すべてのカットがそうではありませんが、ズームや広角レンズで思った通りに撮るより限られた条件で限られた画角で、表現は悪いかもしれませんが窮屈に撮った方が思ったより良かった、というパターンが多い気がします。
ズームレンズは思い通りになるからつまらないのかもしれません。
私は断然単レンズ派です!


今回もすべてD700と50mmの組み合わせです。










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by keta871 | 2012-01-15 10:36 | Comments(0)
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